【7月15日 AFP】ヒマラヤ(Himalaya)の王国ブータンで13日、国民議会(下院、47議席)の総選挙の投開票が行われ、野党国民民主党(People's Democratic PartyPDP)が定数47議席中32議席を獲得し圧勝した。同国での2度目の総選挙。

 与党のブータン調和党(Druk Phuensum TshogpaDPT)は、15席獲得にとどまり惨敗。DPTは、2008年に行われた初の総選挙で圧勝し、4党で争われた5月の予備選挙でも、PDPの33%に対して45%の支持を集めていたため、今回も接戦が予想されていた。

 この選挙結果について専門家らは、「幸福の国」を掲げる同国の「国民総幸福量」(Gross National HappinessGNH)指標や経済の先行きに対する国民の不安を反映していると指摘した。

「雷竜の国」ブータンでは5年前、「竜王」の血を引く仏教徒の王が75万人にも満たない国民に主権を譲渡し、立憲君主制に移行したばかりだ。

 ただ最近では、隣接する長年の同盟国のインドが、燃料への支援を一部停止する決定を下したため、経済状況の悪化に拍車がかかっていた。こうした背景もPDPが急速に支持を伸ばすことにつながったと専門家は分析している。

 ブータンの政府系紙クエンセル(Kuensel)は、投票率が66%に上った今回の総選挙について、「人々は変化を期待して投票した」と社説で述べた。(c)AFP