【7月11日 AFP】米海軍は10日、開発中の無人機X47Bが空母への着艦に成功したと発表した。無人機が空母に着艦したのは史上初めてだという。

 米メリーランド(Maryland)州のパタクセント・リバー(Patuxent River)海軍航空基地を離陸したX47Bは、バージニア(Virginia)州沖の大西洋にいた空母ジョージ・H・W・ブッシュ(USS George H. W. BushCVN-77)に向かった。X47Bは無線操縦だが、リーパー(Reaper)やプレデター(Predator)といった他の無人機よりも自律的に飛行することができる。

 海軍のパイロットがジェット戦闘機を洋上の空母に着艦させられるようになるには何年もかけて訓練する必要があるが、経験を積んだパイロットでも夜間の着艦は困難だという。しかし、10日にX47Bが前例のない着艦を成功させたことで、高度なコンピューターソフトウエアも同じ任務を遂行できることが示された。

 X47Bは5月14日、カタパルト(射出機)を使用して空母から発艦することにもすでに成功している。米海軍は、コウモリのような形をした尾翼のないこの無人機が、現在は有人のジェット戦闘機やヘリコプターが使われている空母航空部隊の重要な要素になると予想している。

 X47Bは全長約12メートル、全幅約19メートル。高度12000メートル以上を飛行することが可能で、亜音速を出すこともできる。速度が遅く、航続距離が約1250キロメートルのプレデターとは異なり、X47Bは再給油を受ける前に約3900キロメートル飛行することができ、長距離爆撃を行うことも不可能ではない。

 B2爆撃機と似た形をしているX47Bは、米航空宇宙大手ノースロップ・グラマン(Northrop Grumman)が14億ドル(約1400億円)かけて開発した。(c)AFP