【7月5日 AFP】南アフリカの首都プレトリア(Pretoria)で入院中のネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元大統領の担当医らが、マンデラ氏は「持続的植物状態」にあるとして家族に生命維持装置を停止するよう助言していたことが、AFPが4日に入手した6月26日付の裁判所への提出文書で明らかになった。

 マンデラ氏の3人の子どもの最終埋葬地をめぐる問題に関連し、家族の弁護士が裁判所に提出したこの文書には、「彼(マンデラ氏)は持続的植物状態にあり、生命維持装置を使って呼吸を補助している。家族は医療関係者から、生命維持装置を停止すべきとの助言を受けた。家族は、苦しみを長引かせるのではなく、この選択肢を極めて現実性の高いものとして検討している」と書かれている。

 一方の南ア政府は4日、マンデラ氏の現在の容体について、「危篤だが、安定した状態にある。医師団は、元大統領が植物状態にはないと判断している」との声明を発表した。

 同文書が書かれた6月26日、ジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)大統領はマンデラ氏の容体が悪化したとして予定していたモザンビークへの訪問を中止。翌27日には、マンデラ氏の容体が「前夜のうちに改善した」と伝えていた。

 マンデラ氏の親族の弁護士や、家族からのコメントは、今のところ得られていない。(c)AFP