【5月20日 AFP】パキスタン南部のカラチ(Karachi)で19日、先日の総選挙で票の水増しが指摘されていた選挙区の再投票が、厳戒態勢のなか行われた。同市ではこの前日、野党パキスタン正義運動(Pakistan Tehreek-e-InsafPTI)の女性幹部が殺害される事件が起きている。

 再投票が認められたNA-250選挙区内43か所の投票所には、軍や警察、自警団、軍用車両が出動して警備に当たった。選挙管理委員会によれば、酷暑と前日の殺人事件にもかかわらず、投票率は40%を上回る見通しだ。

 18日の事件では、野党パキスタン正義運動(Pakistan Tehreek-e-InsafPTI)のシンド(Sindh)州女性部副部長、ザラ・フセイン(Zohra Hussain)氏(59)が、カラチの自宅前でバイクに乗った男3人に銃撃された。PTIを率いるクリケットの元スター選手、イムラン・カーン(Imran Khan)氏は、事件の背後には同市で大半の支持を集める野党ムータヒダ民族運動(Muttahida Qaumi MovementMQM)、特にロンドン(London)で亡命中の指導者アルタフ・フセイン(Altaf Hussain)氏がいると主張しているが、MQMはこれを否定している。

 警察によれば、男3人は現場から逃走。銃撃の動機は不明で、犯行声明も出ていない。警察当局は「これまでにつかんだ手がかりはすべて捜査しているが、事件が強盗未遂なのか、(フセイン氏を狙った)殺人なのかはまだ分からない」と、AFPに語った。(c)AFP