【4月28日 AFP】イタリアの首相に指名された中道左派のエンリコ・レッタ(Enrico Letta)前民主党副書記長は27日、新政権の閣僚名簿を発表した。景気後退に見舞われているイタリアは、2月の総選挙から2か月も新政権を樹立できずにいたが、右派・中道・左派からなる大連立政権がようやく発足する見通しになった。

 レッタ氏はシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)元首相の側近、アンジェロ・アルファーノ(Angelino Alfano)氏を副首相兼内相に指名し、右派との連携姿勢を示した。しかし、ベルルスコーニ氏に批判的な勢力は、ベルルスコーニ氏が裏で権力を握ることにつながると批判している。

 経済財政相には、イタリアの中央銀行のファブリツィオ・サッコマンニ(Fabrizio Saccomanni)副総裁が起用された。国際社会の注目が集まる中、ユーロ圏第3位の規模を持つイタリア経済を、この20年間で最悪と言われる不況から脱却させる任務を負う。

 外相には、前欧州委員会委員で人権活動家のエンマ・ボニーノ(Emma Bonino)氏が任命された。前政権で内相だったアンナ・マリア・カンチェリエリ(Anna Maria Cancellieri)氏は法相に起用された。レッタ氏は、女性閣僚が目立つ内閣になるだろうと話している。

 新内閣は28日に宣誓式を行って正式に発足する予定。レッタ氏は、政権発足後は失業問題に取り組むと同時にマリオ・モンティ(Mario Monti)前首相が行った緊縮財政から方向転換して、不況による社会問題に速やかに取り組みたいと語った。(c)AFP/Ella Ide