【4月17日 AFP】ベネズエラでは、15日に発表された大統領選の結果に抗議する暴力的なデモが拡大を続けており、政府関係者によると現地時間の16日朝(日本時間同日夜)までに7人が死亡、61人が負傷した他、135人が当局に身柄を拘束された。

 3月5日に死去したウゴ・チャベス(Hugo Chavez)前大統領の後継者を選ぶ選挙は14日に投票が実施された。同国選挙管理委員会は翌15日、ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)暫定大統領が50.75%の票を獲得し、対立候補のエンリケ・カプリレス(Henrique Capriles)氏(得票率49%)に僅差で勝利したと発表した。

 これを受け、首都カラカス(Caracas)の一部およびその他の都市では抗議デモが勃発。さらに、チャベス派が多数を占める選管が、カプリレス陣営からの票再集計の要求に応じなかったことも、両陣営の対立激化を招いた。

 マドゥロ氏は、暴力行為を行うデモ隊を「ファシストの暴徒」と呼び非難。反対勢力はクーデターを助長していると主張し、カプリレス氏支持派が17日にカラカスで予定しているデモ行進は許可しない意向を表明した。一方のカプリレス氏は、マイクロブログのツイッター(Twitter)上で、暴力行為の責任はマドゥロ氏とその政府にあると非難した。

 エリアス・ハウア(Elias Jaua)外相によると、カラカス近郊のバルータ(Baruta)で15日夜、マドゥロ氏を支持するデモに参加していた45歳の男性が何者かに射殺され、44歳の女性も負傷した。「反対派の集団が通り掛かった時に発砲があった」という。なお、ハウア外相もカプリレス陣営を「ファシストの暴力」に加担しているとして非難している。

 マドゥロ氏は19日に大統領に正式就任し、1月10日に始まったチャベス前大統領の6年間の任期を引き継ぐ予定。(c)AFP/Maria Isabel Sanchez