【3月26日 AFP】中国当局は過去数十年間にわたり、農家から収用した土地を不動産開発業者に転売することで30兆元(約454兆円)の収入を得ている──。中国国務院発展研究センター(Development Research Centre of the State Council)の経済学者、呉敬璉(Wu Jinglian)氏が語った。

 国営新華社(Xinhua)通信によると、先週末に開かれた経済フォーラムで呉氏は「控えめに見積もっても、一部の(政府)機関はここ数十年間の都市化政策で、土地価格の差額により約30兆元の収入を得た」と話した。呉氏は、1998年から2003年まで首相を務めた朱鎔基(Zhu Rongji)氏の顧問を務めた経歴がある。

 中国では、大規模な都市化政策が進められるなか、農地収用に対する抗議デモが多発。汚職や社会不安を権力に対する脅威とみる中国共産党は、対応に苦慮している。

 法律では、農家への補償額は農地の生産高の最大30倍と規定されているが、実際には当局は十分な額を支払わないか、支払いを全くせずに農地を収用し、買い上げ額を大幅に上回る額で開発業者に転売してきた。(c)AFP