【3月12日 AFP】南米アルゼンチン沖フォークランド諸島(Falkland Islands、アルゼンチン名:マルビナス諸島、Islas Malvinas)で10~11日、英国への帰属の是非を問う住民投票が行われ、英領帰属の支持票が圧倒的多数となった。

 政庁所在地スタンリー(Stanley)の選挙管理担当者によると、住民投票では諸島の全有権者1672人の約92%が投票し、このうち98.8%が英領帰属を支持した。反対票はわずか3票だったという。

 住民投票は諸島の領有権を主張するアルゼンチンに対し英領帰属の正当性を示す狙いで実施されたものだが、アルゼンチンは住民投票は法的に無効だとして投票結果を認めない方針だ。

 ロンドン(London)のアリシア・カストロ(Alicia Castro)駐英大使は住民投票について「国連(UN)が関与しておらず、法的価値のない策略」とアルゼンチンのラジオ局に語り、住民の生活や帰属は尊重し、今後も英国籍を認めるとしたうえで、「彼らが暮らす諸島は英国のものではない」と言明した。

 フォークランド諸島は19世紀から英国が実効支配してきたが、1982年にアルゼンチン軍が占領。英国も海軍機動部隊を派遣しフォークランド紛争が起きた。戦闘は2か月間続き、アルゼンチン軍が降伏。以来、英軍駐留が続いている。(c)AFP