【1月30日 AFP】天然ガス関連施設で起きたイスラム武装勢力による人質事件で外国人37人が犠牲となったばかりのアルジェリアを、デービッド・キャメロン(David Cameron)英首相が30、31日の2日間の日程で訪問する。英首相官邸が29日、発表した。

 今回の事件では英国人にも複数の死者が出ているが、英首相官邸によるとキャメロン首相はアブデルマレク・セラル(Abdelmalek Sellal)首相、アブデルアジズ・ブーテフリカ(Abdelaziz Bouteflika)大統領とそれぞれ会談する予定という。
 
 アルジェリア当局の暫定発表によると、同国南東部イナメナス(In Amenas)の天然ガス関連施設が武装勢力に襲撃された今回の事件では、人質となった外国人37人と武装勢力側の29人が死亡したとされる。襲撃を受けた施設は英石油大手BPが共同操業しており、これまでに英国人3人の死亡が確認されているほか、さらに3人が犠牲になったとみられている。

 キャメロン首相は当初、他の関係各国首脳とともに、アルジェリア側が事前通告なしに軍による武力鎮圧を行ったことに抗議していた。しかし、英政府の批判は徐々に弱まり、最終的にキャメロン首相はアルジェリア当局の対応を「称賛」した。

 アルジェリアは欧州の天然ガス輸入の4分の1を占める。今回の事件で武装勢力は、拘束中のイスラム過激派の釈放や隣国マリへのフランスの軍事介入中止などを要求していた。キャメロン首相はアルジェリアでの首脳会談で、マリ情勢や北アフリカにおける過激派の脅威の高まりなどを協議するとみられる。

 キャメロン首相は今月、北アフリカが他地域のイスラム過激派が集結する「磁石」となりつつあると述べ、今年の主要8か国(G8)首脳会議の主催国であることを活用してテロ脅威に対処することを約束。議会で「安全保障対策によってテロリストを封じ込め、軍事力によって打倒し、悪意に満ちた主張に対処し、テロリストが付け入る無法地帯をなくさなければならない」と強調した。

 同首相は会談後、リベリアに向かい、2月1日に首都モンロビア(Monrovia)で開幕する国際開発会議の共同議長を務める。(c)AFP