【1月17日 AFP】議会で法案を通すためには、時に政敵に対しても「優しさ」を持って接することが求められる米国の大統領だが、お高くとまっているバラク・オバマ(Barack Obama)大統領はこのような「優しさ」の下での行動を見下している──こういった世間一般の見識について大統領自身が14日の記者会見で反論した。

 オバマ大統領は、「社交性に欠け、親しげに他人と接することがないといった私に関する『定説』についてだが、本当の私を知る人々ならば、私が極めてフレンドリーな人間だと知っているし、私は仲間と楽しく過ごすのが好きだ」と記者会見で述べた。

 毎年、ホワイトハウスに議員たちを招いてピクニックを開いているオバマ大統領は、「ミシェル(オバマ夫人)と私は議員たちと親しく接しているし、彼らとの時間を楽しんでいるよ」と述べる。しかし議会では、「予算を浪費する社会主義者」と非難されるのだという。

 個人的な嫌悪感情ではなく、政治の場において共和党との対極姿勢を際立たせてきたオバマ大統領。これまでにも共和党のジョン・ベイナー(John Boehner)下院議長とゴルフを楽しんだこともあると述べた。ただ、そのような姿勢だけで物事が解決する訳ではないとも指摘している。

「政治のこう着や(野党との)交渉の難しさに関して、ここワシントンで真に起きていることは、明確な政策の違いによるものと私は考えている」

 なかにはオバマ大統領を、リンドン・ジョンソン(Lyndon Johnson)やロナルド・レーガン(Ronald Reagan)、ビル・クリントン(Bill Clinton)氏ら歴代大統領と比較するコメンテーターもいる。これらの歴代大統領は、政敵との「巧みな折衝術」を通じてその政治能力を十二分に発揮したことで知られる。

 オバマ大統領は、(財政の崖問題で)野党からの妥協を引き出せるのは最終的に世論の力だと結論付け「私がパーティーの盛り上げ役だろうが、泥に刺さった小枝のようにつまらない男だろうが、これは真実となるだろう」と述べた。そのうえで、娘たちの友達がいつでも遊びに来れるよう議事堂を掃除しないとね、とジョークを混ぜる事も忘れなかった。

 オバマ大統領は20日、2期目の就任宣誓に臨む。(c)AFP