【11月7日 AFP】米大統領選で再選を決めた民主党のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領が7日未明、地元イリノイ(Illinois)州シカゴ(Chicago)で支持者を前に勝利演説を行った。

 ミシェル夫人と娘のサーシャちゃん、マリアちゃんを伴いステージに登場したオバマ大統領は、再選を目指して掲げてきた「中間層とアメリカンドリームのための闘い」を改めて強調した。

「この選挙の中で、あなたがた米国国民は思い出させてくれた。われわれの道のりは厳しく、旅は長いが、われわれは自ら立ち上がり、立ち向かってきたことを」

「われわれは心の中で知っている。アメリカ合衆国にとって最高の時代はこれからだ、と」

■「力を合わせて前進を」、ロムニー氏に呼び掛け

 オバマ氏は、勝利演説の前にミット・ロムニー(Mitt Romney)共和党候補と話し、ロムニー氏の健闘を称えたと語った。「わたしたちは激戦を繰り広げたかもしれない。だがそれはひとえに、ともにこの国を深く愛し、この国の未来を深く憂えているからだ」

「今後数週間のうちにロムニー(前)州知事と、この国を前進させるためにどんなところで力を合わせられるか、じっくり話しあいたいと考えている」とオバマ氏は述べた。

■「未来に希望」、陣営問わず国民に訴え

 またオバマ氏は共和党支持者にも呼び掛け、「あなたがたが私に投票したかどうかに関係なく、私はみなさんの声に耳を傾けてきた。あなたたちから学んだ。あなたたちのおかげで、私はより良い大統領になることができる」と語った。

「あなたがたの体験と闘いを携え、なさねばならない仕事と待ち受ける未来に向かって、私はかつてないほど決然とし、触発されて、ホワイトハウスへ戻る」

「私たちがこれまでくぐり抜けてきた多くの困難や、ワシントン(の政界)がもたらす多くのもどかしさにもかかわらず、私は今ほどわが国の未来に希望を持ったことがない。今ほどアメリカに希望を持ったことはない」

■「人それぞれの希求の総和よりも大きく」

 大統領2期目も議会の「ねじれ」状態による膠着状態は続くことになるが、オバマ氏は演説の終盤、将来にわたる大きな目標を示し、「温暖化する地球の破壊的な力に脅かされない」未来を呼び掛けた。

「私たちはこの未来を共につかみ取ることができると信じている。われわれは政治状況ほどには分裂していないからだ。われわれは評論家が言うほどひねくれてはいない。人それぞれの希求の総和よりも、われわれは大きいのだ」(c)AFP