【9月26日 AFP】国連(UN)総会の一般討論演説が25日午前(日本時間同日夜)に始まった。潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)国連事務総長は冒頭演説でシリア情勢に触れ、18か月続く戦闘は「世界全体に悪影響を及ぼす地域的な災い」になりつつあるとの厳しい見方を示した。

 シリア政権は反体制派との戦闘が続くアレッポ(Aleppo)の重要地区を奪回したと発表した。25日も多数が死亡したと伝えられている。

 潘事務総長は、「(シリアでの)暴力は悪循環に陥り、制御不能になっている。国際社会は見て見ぬふりをすべきでない」と訴え、「国際社会、特に国連安全保障理事会(UN Security Council)理事国と中東諸国に、シリア問題をめぐる国連とアラブ連盟(Arab League)のラクダール・ブラヒミ(Lakhdar Brahimi)合同特別代表の取り組みに対して強固かつ具体的な支援を行うよう求める」と述べた。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は演説で、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領は残酷な内戦をめぐり、「制裁と罰」を受けなければならないとし、アサド大統領と政権を激しく攻撃。「未来が、自国民を虐殺するような指導者のものであってはならない」と訴えた。

 その上でオバマ大統領は「シリア国民の苦しみを終わらせ、新しい夜明けを迎えるため、アサド政権は崩壊すべきだと改めて断言する」と述べた。(c)AFP/Marie Roudani