【9月7日 AFP】インドを訪問中の中国国防相が、インド空軍のパイロット2人に10万ルピー(約14万円)を「チップ」として渡したことが波紋を呼んでいると、6日の現地メディアが報じた。

 インドの主要紙ヒンズー(Hindu)の報道によれば、梁光烈(Liang Guanglie)国防相は3日の夕方、モンスーン性の不安定な天候の中、ムンバイ(Mumbai)からニューデリー(New Delhi)までインド空軍の飛行機で移動した後、現金10万ルピーを二つの封筒に分け、操縦士2人に手渡した。

 同紙は、梁国防相が「インド空軍のパイロットによる操縦と、ニューデリーへのスムーズな着陸にとても満足していた」との匿名筋による情報を伝えている。

 しかしインドが定める規定では、乗員が金銭を受け取ることは禁じられている。梁国防相が渡した「チップ」は国庫に入れられる予定だ。ヒンズー紙はインド当局の見解として「恐らく国防相はインドのこういった場面での規定や慣習について、十分な説明を受けていなかったのではないか」と伝えている。

 梁国防相は3日にインド入りし、軍幹部や国防相、首相と会談した。4日には訪問の主要課題だった両国の合同軍事演習について協議が行われ、4年ぶりの実施が決定。同国防相は4日間の日程を終え、6日にインドを後にした。

 両国の関係は、国境問題や軍事力強化への懸念、国際社会における影響力や資源の獲得競争などで緊張が続いている。(c)AFP