【6月22日 AFP】欧州歴訪中のミャンマーの民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)氏(67)は21日、外国人女性として初めて英国議会両院で演説した。

 ミャンマーの民主化を「友人として、また対等な国として」支援してほしいと述べたスー・チー氏に、国会議事堂の敷地内にあるウェストミンスターホール(Westminster Hall)に集まった議員と招待者ら約2000人は立ち上がって拍手した。

 スー・チー氏は「私たちはビルマに真の民主主義を再建する機会を手にしています」とミャンマーの旧国名を使って語り、「この機会を捉えることができなければ――今回ものごとを正すことができなければ――次の機会がやってくるのは数十年先になるでしょう」と述べ、「私たちの決意でここまで来ることができました。英国と世界の皆さまの支援で私たちはもっと先にいけるでしょう」と続けた。

 またミャンマー議会が十分に機能するまでには時間がかかるとして、かつてミャンマーを支配していた英国に国家機構を作り上げるうえでの支援を求めるとともに、ミャンマーの民主化に資する投資を行うよう呼びかけた。

 紫のロンジー(巻きスカート)と白のショールという装いのスー・チー氏は、11世紀に建設され、これまで国家の首脳しか演説したことがない場所で演説するのは「大変な名誉」だと述べた。

 第2次世界大戦後ウェストミンスターホールで英国議会両院演説を行った外国人は、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領、ローマ法王ベネディクト16世(Benedict XVI)、ネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)南アフリカ大統領、シャルル・ドゴール(Charles de Gaulle)仏大統領しかいなかった。(c)AFP/Katy Lee