【6月15日 AFP】24年ぶりに欧州を歴訪しているミャンマーの民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)氏(66)は14日、スイスのジュネーブ(Geneva)で行われた国際労働機関(International Labour OrganizationILO)の総会で演説し、ミャンマーへの投資を呼びかけた。だがスー・チーさんは疲労で体調を崩し、一部の予定はキャンセルされた。

 スー・チー氏は前日夜にジュネーブに到着し、翌14日から公式日程を開始した。ILO総会ではミャンマーの民主化支援となる国際的な投資を呼びかけるとともに、同国西部で続く仏教徒とイスラム教徒間の激しい衝突について政治的な解決を訴えた。

 花束を贈られるなどの歓迎を受けたスー・チー氏は、ミャンマーの若者らに将来への希望を抱かせるためには雇用創出と職業訓練が必要だと訴え、外国からの直接投資を求めた。また、社会、政治、経済3政策の調和によってミャンマーが再び「前進と成功の地図」に載ると語った。

 首都ベルン(Bern)に移動したスー・チー氏は、出席した記者会見中に吐き気を催し、記者らに「旅の疲れが出てしまった」と謝罪。スイスのディディエ・ブルカルテル(Didier Burkhalter)外相との会見後に行われた記者会見でも「時差に慣れていない」と説明した。

 スイス政府によると、スー・チー氏は歓迎レセプションにいったんは姿を見せたが、すぐホテルに戻り休んでいるという。スイス政府閣僚らとの夕食はキャンセルされた。(c)AFP/Lucy Christie

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