【3月16日 AFP】アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)は15日、ウェブサイトに声明を掲載し、米国との間で行ってきた対話を中断すると発表した。

 タリバンがカタールで米国側と行っていた捕虜交換などについての対話によって、米軍のアフガニスタン撤退前に政治的な解決が実現するのではないかとの期待がもたれていた。

 タリバンは米国側の「一定しない姿勢」を対話中断の理由に挙げているが、ジェイ・カーニー(Jay Carney)米大統領報道官は、米国は一貫してタリバンが戦闘をやめること、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)との関係を絶つこと、アフガニスタンの憲法に従うことという条件を示していたと反論した。

 これに先立ち、ハミド・カルザイ(Hamid Karzai)アフガニスタン大統領の報道官は、同大統領がアフガニスタン訪問中のレオン・パネッタ(Leon Panetta)米国防長官に、アフガニスタンはすぐにでも全ての治安責任を負う用意があると述べ、アフガニスタン国内の治安権限を北大西洋条約機構(NATO)からアフガニスタン政府に移譲する時期を、現在計画されている2014年から2013年への前倒しを要求したことを明らかにした。

 アフガニスタンはかねてからアフガン駐留米軍人への訴追免責付与を拒否する考えを示していたが、アナリストの間では、11日未明に発生したアフガン駐留の米兵が女性と子供を含む16人を射殺した事件によって、米軍の長期的なアフガニスタン駐留をめぐる交渉がいっそう困難になる恐れがあると指摘されている。(c)AFP/Sardar Ahmad