【3月13日 AFP】シリア中部ホムス(Homs)で、女性21人と子ども26人の合わせて47人の遺体が見つかったことを受け、シリア情勢への外国の介入を求める声が高まっているが、大国の姿勢は依然として分かれている。

 米ニューヨーク(New York)で開かれた国連安保理(UN Security Council)の会合で西側各国は中国とロシアに、ホムスなど反体制派の拠点となっている都市へのシリア政府の攻撃をやめさせるための行動を妨げる姿勢を変えるよう求めた。

 しかしロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は、外国の介入は中東の紛争を激化させかねない「危険なレシピ」だと述べ、従来の態度を変えなかった。会合後にヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は、ロシアと中国を含む全ての国がアサド体制に武器を置くよう圧力をかけるようになることを期待すると述べた。

 10、11日の両日シリアを訪問した国連とアラブ連盟(Arab League)のシリア特使、コフィ・アナン(Kofi Annan)前国連事務総長は、その後訪れたトルコの首都アンカラ(Ankara)で、シリア問題の解決は容易ではないが、容認することのできない民間人殺害の即時停止を求めていく姿勢をあらためて示した。

 潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)国連事務総長は、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領に、10、11日の両日の会談でアナン氏がアサド大統領に示した「具体的な提案」に数日以内に応えるよう呼びかけた。

 人権団体などによればシリア第3の都市ホムスは2月上旬から1か月近くに続いた政府軍の砲撃で700人が死亡した。政府軍は1日、反体制派の拠点になっていたホムスのババアムル(Baba Amr)地区を制圧していた。(c)AFP

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