【1月10日 AFP】ナイジェリアで9日、燃料補助金の打ち切りによるガソリン価格の高騰に抗議するデモが各地で行われ、一部が警官隊と衝突、6人が死亡する事態となった。

 最も緊張が高まったのは北部の最大都市カノ(Kano)で、州知事庁舎の前に数千人のデモ隊が集結。警官隊は催涙ガスを発射し、空に向けて威嚇発砲した。

 カノのデモ隊は州政府庁舎に放火。ラミド・サヌシ(Lamido Sanusi)中央銀行総裁の自宅にも火をつけようとしたが、警官隊に阻止された。

 現地の赤十字社によると、この衝突で30人が負傷した。病院関係者によると、発砲を受けた2人が死亡。同国の人権団体によると、ほかにも9歳の子供が圧死した。

 最大都市ラゴス(Lagos)では、銃撃を受けた3人が死亡した。

 同日は、労組の呼び掛けにより、全土でゼネストも行われた。ラゴスでは店やガソリンスタンドが終日閉店し、いつもなら混沌とした街路にはデモ隊の姿しか見られなかった。

■エコノミストの意見

 同国では、政府が1日に燃料補助金を打ち切ったことから、ガソリン価格はそれまでの2倍以上に跳ね上がった。そのため運賃も値上がりし、通勤費が非常に高くつくようになった。今後も、食料価格の高騰などへの影響が懸念されている。

 政府によると、2011年に支出された燃料補助金は80億ドル(約6100億円)以上。エコノミストは、整備が進まないインフラの改善には燃料補助金の打ち切りが不可欠と指摘している。(c)AFP/Aminu Abubakar

【関連記事】ナイジェリア各地でデモ、燃料補助金打ち切りに抗議