【12月7日 AFP】ロシアのモスクワ(Moscow)で6日、野党活動家らが下院選で与党側に不正があったと抗議する大規模集会を開いた。治安部隊の投入で数百人が逮捕された。

 抗議集会は5日にも開かれ、数千人が参加して政権を動揺させた。その後、4日の下院選はウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相の与党「統一ロシア(United Russia)」が有利になるよう操作されたものだと主張する野党支持者らが、インターネットで集会への参加を呼びかけた。

 野党支持者らは「ファシストよ、恥を知れ!」「プーチンのいないロシアを」などと叫んだが、現場には与党支持の若者ら数百人も集まり、野党支持者側とのにらみ合いとなった。

 モスクワの抗議集会での逮捕者には、野党指導者、ボリス・ネムツォフ(Boris Nemtsov)元第1副首相ら、下院選への立候補が禁じられた野党政治家たちも含まれている。ネムツォフ氏は警察署に連行された後、釈放された。

 モスクワの警察は、逮捕者の人数は250人と発表したが、インタファクス(Interfax)通信は治安当局筋の情報として、300人が拘束されたと報じている。

 一方、プーチン首相の出身地のサンクトペテルブルク(St. Petersburg)でも同様の抗議集会があり、約200人が逮捕された。

 民間テレビのドシチ(Dozhd)によると、抗議集会が行われた都市は50に上った。

 5日の集会では、著名活動家のイリヤ・ヤシン(Ilya Yashin)氏や国営企業の腐敗告発ブログで知られるアレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏ら300人が身柄を拘束された。両氏については、裁判所が6日、警察の指示に従わなかった罪で、禁錮15日の実刑判決を言い渡している。(c)AFP/Dmitry Zaks and Laetitia Peron

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