【12月3日 AFP】エジプト選挙管理委員会のアブデル・モエス・イブラヒム(Abdel Moez Ibrahim)委員長は2日、ムバラク政権崩壊後初めて行われた人民議会(下院)選の第1回投票の投票率は、同国史上最高の62%だったと発表した。

 発表によると11月28、29両日に行われたこの選挙で、850万人が投票所に足を運んだ。ムバラク政権崩壊以降、エジプトを暫定統治している軍最高評議会が今週発表した70%という予想は下回ったが、3月に行われた憲法改正の是非をめぐる国民投票の40%は大きく上回った。

 選挙方法は非常に複雑で、有権者は個々の候補者を選ぶ2つの投票と、政党1党を選ぶ投票の計3つの投票を行った。イブラヒム委員長が公表した投票率は、このうち候補者を選ぶ投票のみについて。当選に必要な過半数の得票を得られなかった候補者が多く、その多くが来週の決戦投票に進む。

 候補者投票よりも全体的な投票傾向をよく示すとみられている政党投票についても発表されるはずだったが、イブラヒム委員長は会見の中で「私はエネルギーを使い果たした。私はガス欠だ」と述べ、追って公表される予定の膨大な選挙結果データを各自で読み取るよう記者団に告げると、突然会見を終えてしまった。

 今回の選挙ではイスラム系政党の躍進が予想されており、穏健派イスラム原理主義組織のムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)系の政党が40%を獲得したと主張しているほか、スンニ派原理主義の一派サラフィスト(Salafist)系の政党も20%を獲得すると見込んでいる。(c)AFP