【11月14日 AFP】米ハワイ(Hawaii)で13日に行われたアジア太平洋経済協力会議(Asia Pacific Economic CooperationAPEC)の首脳会議で、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、世界成長を再び活性化させうる環太平洋連携協定(Trans-Pacific PartnershipTPP)に関する自身の考えを示した。

 オバマ大統領は、出身地でもあるハワイで2日間の日程で開かれた同会議の開幕宣言で、活気ある環太平洋諸国を包括する巨大な貿易圏を促進する重要性を訴え、より多くの国々がTPPに参加するよう呼びかけていた。

 オバマ大統領は、今回のAPECを、「国境のない経済圏の達成という最終目標に向かうチャンス」と評し、アジア太平洋地域は米国の経済成長に重要な意味を持つ地域だと強調。さらに、アジア太平洋地域の成功なくして米国の雇用、経済成長、機会拡大はないと述べ、TPPの実現は米国の最重要課題だと語った。

 TPP交渉の合意内容は依然として不透明で、参加国の中には国内で抗議行動が展開されている国もある。だが、実現すれば欧州連合(EU)をもしのぐ、世界最大の自由貿易圏が誕生する。

 当初はシンガポール、ブルネイ、ニュージーランド、チリの4か国による自由貿易協定(FTA)として、2005年に静かに始まったTPPだったが、2008年に米国が参加を表明。同盟国にも加盟を要請したことから、交渉参加国は、創設時の4か国に加え米、豪、マレーシア、ベトナム、ペルーの9か国に拡大。さらに、日本、カナダ、メキシコが新たに交渉参加意思を示した。

 だが日本や米国の農業団体は、声高に国内の農産物が国際競争に飲み込まれるとの懸念を口にしている。(c)AFP/Andrew Gully