【10月4日 AFP】反カダフィ勢力の連合体「国民評議会(National Transitional CouncilNTC)」は3日、執行部の一部を変更する人事を発表した。

 NTCを率いるムスタファ・アブドルジャリル(Mustafa Abdel Jalil)議長はリビア東部ベンガジ(Benghazi)での会見で、執行部ナンバー2のポストを廃止し、殉教者と戦争犠牲者の担当相を新設すると述べた。現在、執行部トップのマハムード・ジブリル(Mahmud Jibril)氏は、事実上の暫定首相ポストと外相ポストに留任する。財務相や石油相、情報相や国防相などその他の主要ポストも留任するという。

 リベラル派のジブリル氏は、ここ数週間、主にイスラム教主義者からの批判の的になっていた。この会見に同席したジブリル氏は、1日に辞意を表明したことを明らかにしたが、「(NTCは)いまがその時ではなく、国家の団結に影響を及ぼす可能性があると判断した」と述べ、「そこで私は辞意を撤回した。だが、国が解放されれば、(辞意表明は)効力を発揮する」と語った。

 ジブリル氏によると、「政権移行と民主化の推進を加速させるため」、バニワリド(Bani Walid)からカダフィ派が放逐される前であっても、現在も激しい抵抗が続いているカダフィ派の拠点シルト(Sirte)を制圧した時点でリビアの「解放」が宣言されることになるという。

 NTCがこれまでに何度も暫定政権の閣僚人事の発表を先送りしていることは、NTC内のリベラル派やイスラム主義者、部族派などの間で意見の相違があることを示している。リビアの「解放」後もカダフィ大佐を拘束できず、カダフィ大佐派が砂漠の奥地から武力闘争を続けた場合にNTC内の対立がもたらす影響について、関係国の間で懸念が生じている。(c)AFP/Herve Bar