【5月31日 AFP】チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世(75)のスポークスマンは30日、ダライ・ラマが正式に政治から引退したことを明らかにした。ただし、宗教指導者の地位に変わりはなく、今後もチベットの一体性の象徴であり続けるという。

 スポークスマンによると、ダライ・ラマは前週末、政治から正式に身を退くためのチベット亡命政府憲章の改定案に署名した。「歴史的な瞬間。(改正案への署名がダライ・ラマの)最後の政治行為となった。(政界引退により)彼は人的価値の促進と宗教間の相互理解にもっと時間を割くことができるようになる」とスポークスマンは語った。

 ダライ・ラマは3月、チベット亡命政府の政治指導者の立場から引退し、政治的権限を「自由な選挙で選ばれた指導者」に譲る意向を表明。これを受け、翌4月に選挙が行われ、米ハーバード大学(Harvard University)の研究者、ロブサン・センゲ(Lobsang Sangay)氏(43)が首相に選ばれた。(c)AFP