【5月28日 AFP】米保守派の旗手、サラ・ペイリン(Sarah Palin)元アラスカ(Alaska)州知事は26日、国内各地をバスで回る「ワン・ネーション(One Nation)」ツアーを開始すると発表した。29日にワシントンD.C.(Washington D.C.)を皮切りに、北上してニューイングランド(New England)各州を縦断する。
 
 共和党の大統領選候補指名争いは、有力候補と目されていた大物2人が相次いで不出馬を表明して精彩を欠くなかで、各候補が優位に立とうと画策している状況だ。

 バスツアーの開始を発表したペイリン氏は、自身のウェブサイトのなかで「米国は今、重要な転換期に立っている。この国の将来を見つめるとき、建国者や愛国者たち、これまでの挑戦や勝利と、私たちがつながることで、進むべき道が、はっきりと見えてくる」と述べ、そのためにも、「わが国の歴史豊かな様々な場所を歴訪すること」が有益だと語った。

 バスツアーの発表で、2012年の次期大統領選で民主党のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領の再選を阻止するべく、超保守派の市民運動ティーパーティー(Tea Party)が期待をかけるペイリン氏が出馬するとの憶測が一層高まっている。

 ペイリン氏がアリゾナ(Arizona)州の邸宅を購入したことも、大統領選の選挙活動拠点としてアラスカ州よりも都合が良いからではないかとの噂を呼んでいる。

 直近の世論調査では、これまでに大統領選への出馬を表明した共和党の候補者で、大きな支持を集めている候補者は誰もいない。最も有望とされるミット・ロムニー(Mitt Romney)前マサチューセッツ(Massachusetts)州知事でさえ、支持率は20%に満たない状況だ。

 一方、5月始めに行われた世論調査では、回答者の58%がペイリン氏にも不動産王ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏にも「ノー」を突きつけると答えている。(c)AFP

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