【3月29日 AFP】オーストラリア各紙は29日、ジュリア・ギラード(Julia Gillard)首相、ケビン・ラッド(Kevin Rudd)外相、スティーブン・スミス(Stephen Smith)国防相らの国会用パソコンがハッキングされている可能性があると報じた。中国が関与している疑いがあるという。

 シドニー(Sydney)の有力紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)によると、米情報機関がオーストラリア政府に対し、少なくとも閣僚10人のパソコンがハッキングされEメール数千通が盗み見られた可能性を指摘したという。このようなスパイ行為はことし2月から1か月以上にわたり行われていたという。

 また、4つの別々の政府筋が、容疑者リストのなかに中国の情報機関が含まれていることを(米情報機関から)知らされたことを明らかにしている。

 全国紙オーストラリアン(The Australian)紙は、ハッカーは主要資源開発プロジェクトに対するオーストラリア政府の姿勢を探っていた可能性があるとする、安全保障問題専門家の意見を載せている。

 閣僚は官庁のネットワークと国会のネットワークを使うことができるが、セキュリティーが劣る国会のネットワークが狙われたとみられている。

 オーストラリア監査局は以前の報告書で、首相府で使用されるパスワードの10%以上はハッカーが1時間以内に解読できると警告。パスワードを複雑にして、ウェブベースのHotmailやGmailのアカウントからのメールを遮断すべきだと指摘するとともに、基本ソフトの更新をきちんと行っていないことも、セキュリティーホールを生む原因になっているとの調査結果を示していた。(c)AFP