【1月31日 AFP】(写真追加)ミャンマーで31日、前年11月の総選挙の結果に基づく議会が外国メディアなどを遮断するなか招集された。ミャンマーで議会が開かれるのは1989年9月以来。

 外国メディアは議会の傍聴が認められなかっただけでなく、軍政が建設した首都ネピドー(Naypyidaw)に作られた新たな議事堂の撮影さえ許可されなかった。警察は議事堂に向かう道に検問所やバリケードを設置した。

 あるミャンマー政府高官は匿名を条件にAFPに対し、「議会は午前8時55分(日本時間同日午前11時25分)に開会し、全議員が出席した」と語った。議会招集の日程は軍政の好む占星術によって決まったのはほぼ確実とみられる。

■民主化の兆しはあるのか

 上下両院の議席のうち4分の1は総選挙の投票前の時点で軍に割り当てられた。選挙で選ばれた上下両院の議席のうち、8割近くを軍事政権の翼賛政党、連邦団結発展党(Union Solidarity and Development PartyUSDP)が占めている。

 新議会招集がミャンマーの政治改革に向かう小さな一歩なのか、あるいはみかけだけの民政の背後に軍政の権力を隠すための行動でしかないのか、ミャンマーの民主化運動活動家や専門家たちの意見も分かれている。

 総選挙の数日後に長年の自宅軟禁をようやく解かれた民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)さんは、前週末発行の英紙フィナンシャル・タイムズ(Financial TimesFT)に掲載されたインタビューで、政治的な変化が生まれる可能性にあまり期待していないと語った。

 スー・チーさんは「総選挙で政治過程に本質的な変化が生まれたとは思っていない」と述べ、「わたしが解放されたのはわたしの刑期が終わったからであって、特に驚くべきことはない」と語った。

■大統領には軍政ナンバー3?

 議会は大統領を選出するが、ここにきて軍政ナンバー3のトゥラ・シュエ・マン(Thura Shwe Mann)前国軍総参謀長の名前が急浮上している。

 軍政トップのタン・シュエ(Than Shwe)国家平和発展評議会(SPDC)議長は77歳と高齢だが、専門家によると権力を完全に手放すことには難色を示しているという。(c)AFP/Hla Hla Htay