【1月21日 AFP】訪米中の胡錦濤(Hu Jintao)国家主席は20日、米連邦議会議事堂(Capitol Hill)を訪れ、主要議員や企業幹部らと会談した。台湾とチベット問題では協調を模索しているとし、圧力をかけないようけん制した。また、米中関係については「相互尊重」を呼びかけ、「一方が得をすることが他方の損につながるというものではない」と語った。

 ホワイトハウスでの公式夕食会の翌日に行われた会談で胡主席は演説し、台湾とチベットは「中国の主権と領土的一体性について懸念している。これらは中国の国益の核をなすものだ」と述べた。

 米中関係については、「両国の歴史を振り返れば、両国が互いの重要な国益の絡む問題をうまく扱えば、両国が円滑で安定した成長を遂げることができることがわかる」と主張した。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は19日、胡主席との共同記者会見で、台湾とチベットは中国の一部だとする米国の立場を改めて示している。

■「中国は拡張政策を追求しない」

 米国と特に日本などの同盟国は、中国の軍事費が年2けたの伸びを見せていることに繰り返し懸念を表明している。中国は今月、ロバート・ゲーツ(Robert Gates)米国防長官が訪中中に、ステルス戦闘機の飛行試験を実施した。

 これについて胡主席は「われわれは軍拡競争をしているわけでも、どこかの国に軍事的脅威を与えようとしているわけでもない。中国が主導権を模索したり拡張政策を追求することは決してない」と懸念を打ち消した。(c)AFP/Shaun Tandon