【1月16日 AFP】韓国紙・朝鮮日報(Chosun Ilbo)は15日、北朝鮮の経済特区で、日本海に面する羅先(ラソン、Rason)市に中国が軍を駐留させる方向で、両国が協議をしていると報じた。

 韓国大統領府高官が匿名で、中国と北朝鮮が最近、「中国が羅先で投資した港湾施設などを警備するため、少数の中国軍を駐留させることについて協議した」と明かした。

 この高官は目的について、羅先経済特区の港湾施設や中国人を保護するためだとしているが、羅先は日本海に面しており、別の高官は、北朝鮮で有事が発生した場合に中国軍が介入しやすくなると指摘している。

 韓国大統領府の報道官は、この動きに関する情報は得ていないとしており、また中国国防省もAFPの取材に答えていない。

 北朝鮮の核開発計画をめぐり、同国と米国、またその同盟国の対立が大きくなる中、中国は2008年に羅先の港湾施設の使用権を獲得し、日本海への出口を確保した。実行に移されれば中国軍の駐留は、1994年に朝鮮戦争の軍事休戦委員会(Military Armistice Commission)から中国軍が撤退して以来だという。

 韓国外交通商省の南柱洪(ナム・ジュホン、Nam Joo-Hong)国際安保大使は、「中国が避けたがっている最悪のシナリオは、北朝鮮が不安定な状況に陥った際に、中国東北部へ大量の難民が流入し、混乱が生じることだ。羅先へ中国軍が駐屯すれば、有事の際に中国が介入しやすくなる」と説明している。(c)AFP