【9月17日 AFP】16日の欧州連合(EU)首脳会議で、仏政府によるロマ人強制送還問題をめぐって激論が交わされ、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領は「第2次大戦中の強制送還をほうふつとさせる」という発言に憤りを表明するとともに、「今後も違法キャンプの撤去を続ける」と断言した。

 外交政策や経済・貿易問題などが議題だったが、ロマ人問題をめぐるサルコジ大統領とEU側の議論が白熱し、議場には重苦しい空気が立ちこめた。

 サルコジ大統領は、欧州委員会(European Commission)のビビアン・レディング(Viviane Reding)副委員長(司法・基本権・市民権担当)が、ロマ人たちのルーマニアおよびブルガリアへの強制送還は第2次大戦中の強制送還に似ていると発言したことについて、「フランスを著しく傷つける、歴史的とも言える短絡的な発想だ」と激しく非難。「わが国を傷つけようとする極めて侮辱的な発言に、世界中の国家元首たちがショックを受けている」と続けた。

 複数の情報筋は、サルコジ大統領が「少数民族への差別は容認できない」と主張するジョゼ・マヌエル・バローゾ(Jose Manuel Barroso)委員長と激しい口論になったと伝えているが、サルコジ大統領はこれを否定している。(c)AFP/Claire Rosemberg