【7月21日 AFP】米国のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官は21日、韓国の哨戒艦沈没は北朝鮮による新たな挑発の端緒になりかねないと述べ、米国は北朝鮮に新たな制裁を課すと発表した。

 記者会見で追加制裁について発表したクリントン長官は、制裁は北朝鮮政府の誤った政策によって長年苦しめられている北朝鮮国民に向けたものではなく、「(北朝鮮)政府が継続している不安定で、違法で、挑発的な政策」に向けたものだと語った。

 クリントン長官は現在、ロバート・ゲーツ(Robert Gates)国防長官とともに、46人の命が失われた哨戒艦沈没後の支援姿勢を示すため、韓国を訪問している。21日には柳明桓(ユ・ミョンファン、Yu Myung-hwan)外交通商相、金泰栄(キム・テヨン、Kim Tae-Young)国防相と会談。共同声明で北朝鮮に対し、今後侵害行為があれば「重大な結果を招く」と警告し、韓国艦に魚雷を発射したことを認めるよう迫った。

 米国の追加制裁は、北朝鮮による武器や関連物質の売却や取引、ぜいたく品の取引、そのほかの不法行為を妨害することを狙っている。クリントン長官は、米国務省と財務省が、核拡散を支援しているとみられる北朝鮮の組織や個人を追加指定し、その資産を凍結する構えを示した。

 クリントン長官は、主要国政府とも協力して、不法行為に関与する北朝鮮の貿易会社の閉鎖や、各国の金融機関に北朝鮮の違法取引を取り扱わせないなどの新たな対策も強化していくと述べた。(c)AFP