【7月9日 AFP】国連安全保障理事会は8日、3月に起こった韓国の哨戒艦沈没に関し、「攻撃」を非難する議長声明案で合意した。北朝鮮を名指しすることは避けた。9日に全会一致で採択される見込みだ。

 声明案は、黄海(Yellow Sea)における韓国軍の哨戒艦「天安(Cheonan)の沈没を招いた攻撃を非難する」という表現を採用。また、海軍水兵46人を亡くした韓国の事件後数か月の「自制」をたたえ、「韓国へのさらなる攻撃や敵対行為の再発を防止する重要性を強調」している。

 しかし声明案は、「天安」沈没の原因について国際調査団が北朝鮮の魚雷だとの調査結果を示したにもかかわらず、北朝鮮を直接非難はせず、「天安の沈没の責任は北朝鮮にあると結論づけた調査結果に、安保理は深刻な懸念を表明」するとのみ記された。

 韓国や米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は北朝鮮への激しい非難を盛り込むことを求めていたが、拒否権のある常任理事国の中国が反対し、非難の明記からは遠い内容となった。(c)AFP