【5月17日 AFP】15日に行われた日中外相会談で岡田克也(Katsuya Okada)外相が「核保有国の中で核兵器を増やしているのは中国だけ」と述べ、核軍縮を求めたことに対し、中国外務省の馬朝旭(Ma Zhaoxu)報道局長は16日、「無責任な発言だ」と強く反論する談話を発表した。

 外務省の児玉和夫(Kazuo Kodama)外務報道官によると、岡田外相は15日、韓国・慶州(Gyeongju)で中国の楊潔チ(Yang Jiechi)外相と会談した際、「5つの核保有国の中で核兵器を増やしているのは中国だけだ。減らすか、少なくとも現状維持に早く踏み切ってもらいたい」と述べた。

 これに対し馬報道局長は、「日本による無責任な発言に楊外相はその場で反論した」との声明を発表。「楊外相は中国の核戦略の透明性を指摘した」「中国の立場は合法かつ透明であり、非難の余地はない」などと反論した。

 馬報道局長はまた、中国が核保有国としては唯一「核の先制不使用」を支持している国家であり、非核国・地域への攻撃や脅迫に使わないことも無条件に約束しているとの楊外相の発言を紹介。中国はこれまでいかなる形の核軍拡競争にも参加したことはなく、安全保障のため必要な最低水準の核兵器を保有し続けると強調した。

 韓国聨合(Yonhap)ニュースは、匿名の外交筋の話として、中国側は岡田外相の発言を「不愉快」と感じており、会談の一部日程をボイコットすることも考えたと伝えている。(c)AFP