【11月30日 AFP】ロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領は29日、「冷戦的思考の払しょく」を目指した欧州の安全保障に関する新条約の草案を発表した。

 大統領府によると、7ページから成る同草案は、条約締結国は互いの安全保障に著しく影響をおよぼすいかなる行為も行わず、参加、支持もしないとした内容。さらに、締結国は、第三国による攻撃または「締結国の安全保障に著しい影響をおよぼす行動」に、自国の領土を使用させないとしている。

 ただ、同草案は締結国の安全保障に「著しく影響をおよぼす行為」を具体的には定義していない。

 メドベージェフ大統領は、2008年夏にロシアとグルジアの間で起きた軍事衝突の後から、独自の欧州安全保障案を提唱し実現を目指してきた。だが、詳細が明かになっていなかったため、欧州諸国の反応は鈍かった。
 
 大統領府によるとこの草案は、関係諸国の各首脳および欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)などの国際機関に送付されたという。(c)AFP