【11月26日 AFP】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は25日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)でのユダヤ人入植地建設について、10か月間凍結すると発表した。この発表に、米国は停滞している中東和平交渉の進展に寄与するとして歓迎する姿勢を示したが、パレスチナ自治政府側は、不十分だとして否定的な立場を示した。

 ネタニヤフ首相は記者会見で、「当内閣はきょう(25日)、入植活動に関する抑制政策を決定した。これには10か月間、(ヨルダン川西岸の)ユダヤ(Judea)・サマリア(Samaria)地区での新規入植地建設を一時停止することが含まれる」と語った。

 一方で、エルサレム(Jerusalem)での入植地建設に関しては、「一切の制限を設けない」とするとともに、占領地での公共施設建設を続けていく意向を示した。

 今回のネタニヤフ首相の発表に対して、パレスチナ側は不十分だとの認識を示している。パレスチナ側は、今年初めのガザ地区(Gaza)での武力衝突以来停滞している中東和平交渉再開の条件として、アラブ系住民が大半を占める東エルサレム(East Jerusalem)を含む全面的な入植地建設凍結を求めている。

 東エルサレムについて、イスラエルは首都エルサレムの不可欠な一部だと見ており、同地のユダヤ人居住地が入植地であるとの認識はない。一方で、パレスチナ側は、東エルサレムをパレスチナ国家の首都にしたい構えだ。

 国際社会は、イスラエルが1967年の第3次中東戦争で占領したすべての占領地を違法だと見なしており、イスラエルによる東エルサレム併合も認めていない。(c)AFP/Ron Bousso