【11月20日 AFP】(一部修正)欧州連合(EU)は19日、ベルギーのブリュッセル(Brussels)で臨時首脳会議を開き、ベルギーのヘルマン・ファンロンパウ(Herman Van Rompuy)首相を初代の「EU大統領」(首脳会議の常任議長)に選出した。またEUの「外交安全保障上級代表」(外相に相当)にキャサリン・アシュトン(Catherine Ashton)欧州委員(通商担当)を選んだ。

 英国は大統領にトニー・ブレア(Tony Blair)前英首相を推していたが、これを取り下げ、英国出身のアシュトン氏が外相にすることで合意に達した。

 来月1日に発効するEUの新基本条約「リスボン条約(Lisbon Treaty)」によって創設された大統領と外相の2つのポストは、国際社会における欧州の存在感を強め、米国や中国などの大国との交渉で欧州が一丸となることを目指すものだ。

 ファンロンパウ氏は首脳会議後の記者会見で、ベルギーの首相を辞めなければならないのは残念だが、今夜から信念を持ってこの重要な職務に取り組んでいくと語った。

 ファンロンパウ氏の選出は意外ではなく、英国がブレア氏への支持を取り下げた後では必然とも言えるものだった。ファンロンパウ、アシュトン両氏の国際政治の経験が少ないことを不安視する声もあるが、欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ(Jose Manuel Barroso)委員長は首脳会議後の記者会見でこれを退け、アシュトン氏の選出について「英国が欧州の中枢にあり続けることが非常に重要だ」と述べた。外交経験がないことを指摘されたアシュトン氏も「私の行動で判断して欲しい。きっと満足してもらえると思う」と述べた。(c)AFP/Paul Harrington