【10月27日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は26日、フロリダ(Florida)州の海軍航空基地で行った演説の中で、アフガニスタンへの米軍増派について性急に決断を下すことはしないと語った。米軍最高司令官としての手腕が問われるオバマ大統領のアフガニスタン政策をめぐっては、反オバマ勢力から、迷いがみられるとの批判が高まっている。

 アフガニスタン戦略の見直し会議に出席したあと専用機で同基地で向かったオバマ大統領は、米軍兵士らを前に、「米国民や国益を守るために武力を行使することを、わたしは決してためらわない。皆さんに約束する」と言明。「アフガニスタン戦略を次の段階に進めるうえで、これは非常に重要なことだ」と付け加えた。その一方で、「あなた方を危険に追い込みかねない重い決定を、性急に下すことはしない」と語った。

 だが、共和党を筆頭とするオバマ批判勢力は、アフガニスタンの戦略見直しに数週間もかけるのは、時間がかかりすぎだと非難。なかでも前副大統領のディック・チェイニー(Dick Cheney)氏は前週、オバマ大統領はアフガン戦略でちゅうちょし煮え切らない態度のままだと手厳しく批判した。

 一方、ホワイトハウス(White House)のロバート・ギブス(Robert Gibbs)報道官は、26日のアフガン戦略見直し会議について、予想以上に長引いたが、オバマ大統領がアフガニスタン戦略に関する決定を、数週間以内にも発表することに変わりはないと語った。

 オバマ大統領は前週、アフガニスタン駐留米軍のスタンリー・マクリスタル(Stanley McChrystal)司令官が求める4万人の増派要請について、翌月7日のアフガニスタン大統領選の決選投票までに決断を下すとしながらも、発表は行わない可能性もあると語った。(c)AFP/Stephen Collinson