【9月18日 AFP】北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty OrganisationNATO)のアナス・フォー・ラスムセン(Anders Fogh Rasmussen)事務総長は18日、米国、NATO、ロシアのミサイル防衛(MD)システムを統合する考えを示した。

 ベルギー・ブリュッセル(Brussels)のNATO本部で行った演説で、ラスムセン事務総長はロシアに対し、「欧州および国際社会の安全保障において、真のステークホルダー(利害関係者)となってほしい」と呼び掛けた。また、「われわれの時代が抱える大きな問題を解決するためには、パートナーとしてロシアが必要だ」と述べ、ロシアとの連携を強化していく考えを示した。

 さらに事務総長は、「適切な時機に、米国、NATO、ロシアのMDシステムを連結する可能性を探るべきだ」と力説した。

 前日にはバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が、東欧におけるミサイル防衛(MD)施設建設計画の見直しを発表しており、NATO事務総長のコメントは、これに呼応するタイミングで行われた。

 また、極東から米西海岸まで共同安全保障体制を築くとしたロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領の提案について、ラスムセン事務総長は、協議の用意があるとする一方で、ロシアにもイランの核開発問題で最大の影響力を行使するよう注文をつけた。

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相も18日、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前米大統領の東欧ミサイル防衛計画を棚上げとしたオバマ大統領の決断を、「正しく勇気ある決断」と評価した。(c)AFP