【9月17日 AFP】米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)は17日、米政府がポーランドとチェコでのミサイル防衛(MD)施設建設計画を棚上げにする方針を決めたと伝えた。

 WSJ紙は、この決定について「ロシアは歓迎するだろうが、欧州での安全保障問題の議論を混乱させる可能性がある」と報じた。また、複数の米高官の話として、「イランの長距離ミサイル開発計画が想定していたよりも進展しておらず、米国本土と欧州主要都市に与える脅威が減少したとの判断に基づいた決定だ」と伝えた。

 また、今回の決定は、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が指示した60日間の再検討期間を受けたもので、早ければ来週にも結論が出る見込みだとし、1月の任期満了までに東欧でのMD施設建設を開始させようと積極的に同計画を推進してきたジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前政権の方針を大きく変更するものになるとみられるとしている。

■オバマ大統領がチェコ首相と電話会談

 また、チェコのロマン・プロロク(Roman Prorok)首相報道官は同日、オバマ大統領が16日夜にヤン・フィシェル(Jan Fischer)チェコ首相と電話で会談し、ポーランドとチェコに建設される予定のミサイル防衛施設について話し合ったことを明らかにした。

 プロロク報道官は、AFPに「オバマ大統領はMD計画問題でフィシェル首相に電話をした。電話終了後、フィシェル首相は会談の内容をバツラフ・クラウス(Vaclav Klaus)大統領に伝えた」と語った。

 プロロク報道官は、エレン・タウシャー(Ellen Tauscher)米国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)が17日午後、プラハ(Prague)を訪問すると述べ、「タウシャー氏の到着後、17日中にも、より詳細な情報を発表する予定だ」と語った。(c)AFP