【8月31日 AFP】チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世は30日、台湾の桃園国際空港(Taoyuan International Airport)に到着した。

 ダライ・ラマ14世は記者団に対し、今回の訪台は台風8号(モーラコット、Morakot)の被災地慰問が目的で、政治的意図はまったくないと説明した。「わたしは僧侶だ。平安祈願を請われたため、台湾を訪れた。(訪台は)政治的なものではなく、人道的な性格のものだ」

 空港の外では、在台湾チベット人ら数百人が数時間前から到着を待ち受けた一方、中国支持者ら50人あまりも集結し、ダライ・ラマの訪台に抗議した。

 ダライ・ラマ訪台について、中国政府は野党・民主進歩党(Democratic Progressive Party)が「隠れた思惑」のもとに招待したものだと非難。中国の国営新華社(Xinhua)通信は、
「ダライ・ラマの訪台は、中台関係に悪影響を及ぼすだろう」と警告する中国国務院台湾事務弁公室(Taiwan Affairs Office)の声明を伝えた。

 こうした中国側からの批判に対し、台湾の与党・国民党(KuomintangKMT)は、ダライ・ラマの訪台の目的は純粋に台風8号の被災者慰問だと強調している。今月中旬に台湾を襲った台風8号では、少なくとも571人が犠牲になった。(c)AFP/Benjamin Yeh