【8月2日 AFP】(写真追加)フィリピンのマニラ(Manila)で2日、1日に死去したコラソン・アキノ(Corazon Aquino)元大統領に別れを告げようと、ひつぎが安置されたカトリック系の学校に数千人が長い列を作った。

 アキノ元大統領のひつぎは1日、軍の儀仗(ぎじょう)兵に付き添われて運び込まれた。

 元大統領の死を悼む人々の行列は学校の外の道路にまで達した。多くの人が「ピープルパワー」革命のシンボルカラーだった黄色の衣服やリボンを身につけていた。弔問者の中には多数の著名人もいた。

 アキノ元大統領の遺志に従って国葬は行われない。元大統領の遺体は5日、家族による葬儀の後、1983年に米ボストン(Boston)から帰国したところを暗殺された夫の故ベニグノ・アキノ(Benigno Aquino)氏のかたわらに埋葬される。5日はフィリピン全土の学校が休校になる。

 グロリア・アロヨ(Gloria Arroyo)大統領は10日間の服喪を宣言した。

■各方面から追悼

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領はアキノ元大統領の訃報に「深く悲しみ」、「われわれすべては彼女の勇気と決意そして道徳的なリーダーシップに感銘を受けた」との談話を発表した。

 ローマ法王ベネディクト16世(Benedict XVI)はアキノ元大統領を「深く、ゆるぎない信仰の持ち主」と呼んだ。

 故フェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)元大統領のイメルダ(Imelda)夫人もアキノ元大統領の死を悼むコメントを発表した。

 マニラの新聞は「さようなら、コリーおばさん」「失われた偉大な天からの贈り物」などといった感傷的な見出しを載せた。

 マニラの金融街マカティ(Makati)地区ではアキノ元大統領の巨大なポスターが掲げられ、自宅の周囲には多くの花が手向けられた。フィリピン全土のカトリック教会で鎮魂のミサが営まれた。(c)AFP