【8月2日 AFP】米下院は31日、金融機関の巨額の報酬を制限する法案を賛成237、反対185の賛成多数で可決した。

 この法案は、株主に金融機関役員の給与について法的拘束力のない投票を行う権利を与え、規制当局に金融機関の不適切な報酬の一部を禁止する権限を与える内容。不適切な報酬には、高額の報酬を得るため金融機関が無理なリスクを取ることにつながる業績連動型の報酬などが含まれる。

 この種の報酬は金融機関が過度のリスクを取る傾向を高め、金融機関の安全性と健全性を脅かし、金融システムに深刻な悪影響を与える可能性があると指摘されている。

 前日の30日には、ニューヨーク(New York)州のアンドルー・クオモ(Andrew Cuomo)司法長官が、一部の金融機関が2008年分の役員ボーナスとして、総額で同年の収益を上回る額を支給していたという報告書を発表し、法外な報酬に対する批判があらためて高まっていた。

 上院は7日から約1か月間の夏季休会に入るが、休会前に上院で同法案を審議することはない見通しで、法案が成立するかは不透明だ。(c)AFP