【7月26日 AFP】2008年の米大統領選で共和党の副大統領候補として脚光を浴びたサラ・ペイリン(Sarah Palin)アラスカ州知事(45)が、26日に辞任する。3日に突然辞任を表明したことから、ペイリン氏の次の動きについて憶測が飛び交っている。

 ペイリン氏が2012年の大統領選にバラク・オバマ(Barack Obama)大統領の対抗馬として立候補する可能性があるとの見方が広がる一方、倫理規定違反の疑惑などが指摘されるペイリン氏の政治家としての能力を疑問視する声も上がっている。

 今回の辞任が大統領選出馬に向けての布石なのか、あるいは政界から去ることを意味しているのか現時点では明らかではない。

 アラスカでは24日から毎年恒例の一連のピクニックが開催されている。24日、出身地の同州ワシラ(Wasilla)のピクニックに参加したペイリン氏は1000人以上の参加者に、批判を呼んだ3日の辞意表明の後もアラスカ州の住民が支持してくれたことに感謝していると述べた。

 一連のピクニック行事が終わる26日、ショーン・パーネル(Sean Parnell)副知事が新しいアラスカ州知事に就任する。この日ペイリン氏はフェアバンクス(Fairbanks)でのピクニックに参加する予定だ。

■米国民は冷たい視線

 任期を1年半残して辞任することについてペイリン氏は「アラスカ州にとっての最大の利益のため」と説明しているが、2012年の大統領選に出馬するつもりだとの憶測を呼んでいる。

 だが最新の世論調査で、米国人の大半はペイリン氏に否定的で、その政治手腕についても疑問を持っていることが明らかになっている。

 米ワシントン・ポスト(Washington Post)紙とABCニュース(ABC News)が24日発表した世論調査結果によると、米国人の53%がペイリン氏を「好ましい人物」と見ていない。40%が同氏を肯定的に見ているが、これは、共和党ジョン・マケイン(John McCain)上院議員から副大統領候補に指名された時以来最低の数字だ。
 
 ペイリン氏は自ら「政治腐敗撲滅の英雄」というイメージを作ってきたが、その後自らが州職員の倫理規定に違反した疑いで20件以上の申し立てを受けている。

 倫理規定違反の申し立てを「政治的な愚行」と呼ぶペイリン氏だが、一連の申し立てに関する訴訟費用として50万ドル(約4700万円)以上の負債があることも明かしている。

 ペイリン氏の支持者らは訴訟費用を支援するため基金を設置したが、ある独立調査期間による予備調査は、こうした基金に支払いを支援させたことで、ペイリン氏が州の倫理法に違反した疑いがあると指摘している。(c)AFP