【7月23日 AFP】テレビ朝日(TV Asahi)が6月、北朝鮮の金正日(Kim Jong-Il)総書記の三男、金正雲(Kim Jong-Un)氏だとして別人の写真を放送した問題で、写真を提供した韓国軍兵士に停職3か月の懲戒処分が下された。

 この問題では、写真の人物が実際には韓国の建設労働者だったことが発覚し、テレビ朝日は後に報道を訂正したが、放送時には提供元は「韓国の信頼できる人物」としていた。

 韓国の聯合(Yonhap)ニュースが伝えた軍幹部の話によると、提供した兵士は24歳の陸軍下士官で、テレビ朝日に200万ウォン(約15万円)を要求したという。軍当局は、兵士は数年前日本に留学した際に日本のジャーナリストらと友人になったとみている。また、偽の写真と知っていて渡したともいう。

 ただし、軍の機密にかかわるものではなく個人レベルの詐欺行為だったため、比較的軽い処分となったという。

 金総書記の三男、正雲氏に関する報道は、スイスに留学していたことがあるといった情報以外、ほとんどされたことがなく、公開されている写真も子ども時代のものだけだ。

 一方、正雲氏だとして報道された写真の本人はほとんど沈黙を守っている。問題の写真は正雲氏とどれだけ似ているかを示すために、自分でインターネット上に投稿したものだった。(c)AFP