【7月17日 AFP】イランの有力聖職者で保守穏健派のアクバル・ハシェミ・ラフサンジャニ(Akbar Hashemi Rafsanjani)元大統領は17日、テヘラン大学(Tehran University)の金曜礼拝で演説し、大統領選後の抗議行動で身柄を拘束された数百人を解放するよう求めた。

 イラン大統領選で敗れたミルホセイン・ムサビ(Mir Hossein Mousavi)元首相の支持者を中心とする数千人の聴衆を前に、ラフサンジャニ師は、選挙後に起きた一連の混乱は、イランを危機に陥れているとの懸念を示し、「イラン国民の多くが、選挙結果に疑念を抱いており、この問題への対処が必要だ」と語った。

 また、「われわれは、かつてないほど、団結を必要としている」と述べ、「われわれが合意できるならば、今日の礼拝が変化の始まりとなるだろう」と述べ、国民間の協調を訴えた。

■支持者数千人のデモ

  外国メディアは、テヘラン大学の金曜礼拝の取材を認められていないが、目撃者情報によると、ラフサンジャニ師が演説を終えると、ムサビ氏の支持者数千人が、大学付近で抗議行動を始めたという。

 支持者らは、ムサビ氏の名前や「神は偉大なり」などと叫びながら、行進したが、機動隊と衝突し、数人がその場で逮捕されたもようだ。

 金曜礼拝には、ムサビ氏も参列するとみられていたが、確認できていない。

 ムサビ氏が出席していれば、同氏が公の場に姿を現すのは、前月末にテヘラン(Tehran)でマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領の再選に対する抗議行動が、大規模な騒乱に発展して以来となる。

 ムサビ氏は、6月の大統領選の投開票にはごまかしがあり、アフマディネジャド大統領2期目の政権を、合法的ではないと主張している。(c)AFP/Jay Deshmukh