【7月14日 AFP】ディック・チェイニー(Dick Cheney)前米副大統領が、秘密テロ対策計画に関する情報を議会から隠ぺいするよう米中央情報局(Central Intelligence AgencyCIA)に指示していたとの報道について、CIAのジョージ・リトル(George Little)報道官は13日、AFPの取材に対しコメントを拒否した。

 チェイニー氏による隠ぺい疑惑については、週末から複数の米メディアが報じている。13日付のウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)紙は、計画は国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)工作員の拘束や殺害に関するものだったと伝えた。

 同紙は、詳細は不明としたうえで、計画には予算が計上され、CIA工作員の訓練も実施されていたとしている。計画は、オバマ政権の誕生とともに新たにCIAトップに就任したレオン・パネッタ(Leon Panetta)長官が廃止させたとされる。

 さらに、同紙は、計画は「最後の1人まで殺せというアクション映画そのものだった」と語る元CIA職員の話を掲載している。その一方で、この職員はチェイニー氏やジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前米大統領は、この計画に乗り気ではなかっため、計画は半年ほどで立ち消えになったようだと話している。

 疑惑報道をうけ、民主党議員らは権力の乱用だとしてチェイニー氏批判を強めているが、リトル報道官はAFPに対し、「長官、そしてCIA自体の双方にとって、議員らとの率直な論議は非常に大切だ」と述べるにとどめた。(c)AFP