【7月10日 AFP】(一部更新)ラクイラ・サミットの主要先進8か国(G8)は9日、温室効果ガスの排出量を80%削減することで合意したが、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は同日、「歴史的な合意だ」と評価した。

 サミット2日目の拡大会合には新興5か国のブラジル、中国、インド、メキシコ、南アフリカ、そして議長国イタリアの招きでエジプトが加わった。気候変動問題で、経済成長に足かせがかかると懸念し、温室効果ガス排出量の制限に抵抗してきた新興5か国は、工業化を果たした先進国側であるG8首脳らの圧力に屈した。

 前週も中国やインドは、地球温暖化の責任は先進国側にあるとし、思い切った温室効果ガス削減目標に反対を示していた。会議でも、インドのマンモハン・シン(Manmohan Singh)首相が「先進国側が責任を果たさなければならない」と発言したとされる。

 一方、G8各国はロシアが消極的だったが、2050年までに排出量を80%減らすことで事前に合意していた。

 この日の拡大会合で新興国側も、地球上の平均気温を産業革命以前の18世紀よりも2度高い水準に抑制するというG8の目標に合意した。

 会議後、オバマ大統領は「歴史的な合意だ。わが国を含め先進国は、歴史的に見て、(温暖化対策を)リードする責任がある。わが国は過去にたびたび、その責任を果たさなかったということを承知しているが、そういう過去は終わったのだとここに断言する」と話した。

 一方で国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は、「G8首脳が打ち出した政策は十分ではない」と、失望感を示している。

 ブラジルも、「中期目標を設定しない削減目標は無意味だ」として、合意内容を批判している。(c)AFP/Denis Barnett