【6月24日 AFP】韓国の東亜日報(Dong-A Ilbo)は24日、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記の三男で後継者とされる正雲(ジョンウン、Kim Jong-Un)氏(26)が、権力移譲の第一段階として、秘密警察の国家安全保衛部の権限を譲り受けたと伝えた。

 東亜日報は消息筋の話として、金総書記が3月ごろ、正雲氏とともに平壌(Pyongyang)にある国家安全保衛部本部を訪問し、保衛部幹部らに対し、正雲氏を上司とするよう指示したという。

 金総書記は、「金正雲同志を保衛部長としてほしい。これまで私にしたのと同様に、命をかけて金正雲同志を守りなさい」と述べたという。その後、金総書記は、幹部らに1台約8万ドル(約760万円)相当の高級外車5台を与えた。

 国家安全保衛部は、反体制派を取り締まり、外国での工作活動を行う。1987年以来、金総書記が統率していた。東亜日報によると、部長職は空席で、首席副部長を務める禹東則(ウ・ドンチュク、U Tong-Chuk)国防委員会委員が公式な責任者だが、保衛部幹部らは、正雲氏が権力を握ったとみているという。

 国家安全保衛部の権力は、軍から国境通行検査所の所管が移されたことを受けて強まっている。また、国境警備隊も早ければ7月にも、同様に軍から保衛部へ移管されるという。(c)AFP