【6月18日 AFP】(一部訂正)ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官とアビグドル・リーバーマン(Avigdor Lieberman)イスラエル外相は17日、ワシントンD.C.(Washington D.C.)で会談を行った。米側は会談で、パレスチナ自治区へのユダヤ人入植地建設の凍結を強く求めたが、イスラエル側は断固としてこれを拒否した。

 クリントン米国務長官とリーバーマン外相による外相会談は、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相率いる右派政党リクード(Likud)を中心とした右派連立政権が3月末に発足して以降初めて。

 米国務省での会談後の共同記者会見で、クリントン長官は「入植を中止してほしい」と明確に述べた。また、入植地建設の中止は包括合意によるパレスチナ国家建設と二国家共存にとって、重要不可欠な条件だと米国側の主張を再度強調した。

 しかし、ネタニヤフ連立政権の一翼を担う極右政党「わが家イスラエル(Yisrael Beitenu)」党首でもあるリーバーマン外相は、イスラエルは現在のヨルダン川西岸(West Bank)の「人口比を変える意図はない」と逆の主張を明言した。

 同外相は「人の自然な生死、人口の自然増加を認めるべきで、完全な入植中止は受け入れられない」と米国側の要求をかわし、「これはきわめて明瞭な取り組みだ。米国のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前政権からも一定の理解を得て、わが国はこの方向性を維持しようとしている」と主張した。

 これにクリントン長官は同意せず「ブッシュ政権下では、非公式なものにしても口頭のものにしても、拘束力のある合意はひとつも交わしていない」と反論した。

 米国は次週、イスラエルのネタニヤフ首相と、同政権のパレスチナ和平交渉の方針について仏パリ(Paris)で協議する。(c)AFP/Lachlan Carmichae