【6月12日 AFP】12日に投票が始まったイランの大統領選挙は、保守強硬派で現職のマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領に穏健派のミルホセイン・ムサビ(Mir Hossein Mousavi)元首相が挑む一騎打ちの構図となっている。

 過去に例をみない激戦となった今回の大統領選では、選挙運動中に両陣営が大規模なデモ行進を繰り広げ、テレビ討論会では両候補が中傷合戦を展開するなど、選挙運動が過熱したため、同国最高指導者のハメネイ(Ali Khamenei)師は国民に冷静に対応するよう呼びかけたほどだ。

 過去4年間のアフマディネジャド政権下のイランでは、大統領の過激な発言が欧米との溝を深め、国内では深刻な経済危機への対処で大統領に非難が集中している。今回の選挙は、イラン国内でも現政権への見方が分裂している事実を浮き彫りにした。

 また、有権者4620万人のうち、約半数が1979年のイスラム革命以降に生まれた世代であることも、今回の選挙の特長だ。選挙管理委員会では、投票率は過去最高を記録するものと予測している。(c)AFP/Siavosh Ghazi, Farhad Pouladi