【6月12日 AFP】テレビ朝日は11日、北朝鮮の金正日総書記の三男、金正雲(キム・ジョンウン、Kim Jong-un)氏(26)として報道した写真について、「別人と断定するに至った」として誤りを認め、ニュース番組内で謝罪した。

 また、入手経路について当初、「韓国当局の関係者」から入手し、別の情報筋からも90%間違いないとの証言を得たため報道したと説明していたが、在日韓国大使館が「当局」という言葉は政府関係者が誤報に絡んでいたとの誤解を与えかねないと抗議。その後、入手先を「韓国内の信頼できる人物」に訂正した。

 テレビ朝日は10日、北朝鮮の金総書記の後継者に内定したと報じられている正雲氏とみられる近影写真を独占入手したとして、ニュース番組などでスクープとして報じた。ところがその後、韓国の聯合ニュース(Yonhap)が、韓国人男性が自分の写真だと主張していると伝えた。

 聯合ニュースによるとこの男性は、問題の写真は08年の夏に撮影した自分の写真で、自分が総書記に似ていることを示すためにインターネット上で公開したものだと語った。

 男性は日本テレビの取材に対し、友人から金総書記に似ていると言われることがあり、「総書記同志」とのあだ名をつけられていると話した。「ただの冗談がこんなことになるとは思いもしなかった」

 金総書記の後継者とされる正雲氏について、詳しいことはほとんど分かってていない。少年時代にスイスのインターナショナル・スクールに留学していたとされており、写真は11歳ごろのもののみが公開されている。(c)AFP